アレルギーとは

 

Ⅱ型アレルギー

細胞傷害型・細胞融解型ともいう。
本来であれば、体内に入ってきた異型血液や、ウイルスに感染した細胞を破壊するためのメカニズムである。
かかわる抗体はIgM,IgG。
自分の細胞が、間違って抗原として認識されてしまうことでおこる。

抗原として認識され、抗体がくっついてしまった細胞は、敵としていわばマーキングされてしまった状態。
このマーキングのせいで、免疫にかかわる白血球や補体などのタンパク質の集中攻撃を受けることになる。

また、抗体が細胞受容器のスイッチに取り付いてしまうタイプの疾患も、このアレルギーに含まれる。

引き金となるのは、薬剤や自己抗原。
ペニシリンアレルギーなどもこの型に属するが、ペニシリン単体というよりは不純物が抗原になっている可能性が高いとされる。
皮膚反応は数分から数時間。

代表的な疾患として、細胞が傷害されるものとしては、自己免疫性溶血性貧血・突発性血小板減少性紫斑症・薬剤性溶血性貧血・グッドパスチャー症候群・橋本病などがある。
受容器に作用するものとしては、重症筋無力症・バセドウ病など。
新しい分類として、バセドウは細胞刺激型としてⅤ型に分類する場合があるが、機序としてはⅡ型に属する。

Ⅲ型アレルギー

免疫複合体型・アルサス型ともいう。
かかわっている抗体はIgM,IgG。
発赤や浮腫といった皮膚反応は3時間~8時間後におこる。

抗原が抗体とくっついたものを、抗原抗体複合体という。
これが局所で処理できないほどあると、あふれだしてあちこちに散らばってしまう。
散らばった先々で白血球などに処理されるため、処理に用いる酵素によって周辺の組織が傷害を受けてしまう。
平たく言うと、流れ着いた先が異物処理のとばっちりを受けることでおこるアレルギー。

原因となる抗原は、薬物・外来タンパク質、細菌などの外来性のものや、自己由来のものなど。
細胞などではなく体液に溶解している抗原で、単位が小さい。

代表的な疾患として、関節リウマチ・全身性エリトマトーデス・急性糸球体腎炎など。
歯科ではシェーグレン症候群などがあげられる。

IgGと食物アレルギーの関連?

Ⅱ型・Ⅲ型にかかわる抗体として、IgGがある。
これが全国のアレルギーを扱う医院で、遅発型食物アレルギーとの関連を謳って検査を奨めているいるところがある。
これに関して、欧米のアレルギー関連学会では検査に科学的根拠なしとし、日本小児アレルギー学会は診断法として推奨しないとしている。
IgGは抗体として普遍的に誰にでも存在するもので、該当する食物以外でも検出されるものだからである。
よって遅発型食物アレルギーのIgG検査は、食物との関連を意味しない。
近年歯科医院でもこのような検査を推奨しているところがある。
嘆かわしい限りである。

続きます