子供はいろいろなクセがある。
大人の理解の範疇をこえたこだわりやくせがある、だからこそおもしろいのであるが。
しかし、そのクセによってかみ合わせが狂ってしまうこともあるのをご存じであろうか。

前歯で指や舌をかむ癖があると、指や舌の形にかみ合わない隙間ができてしまう。
つまり、かみ合わせが開いてしまうのだ。
これは発音構築がうまくいかなかったり、将来的なかみ合わせを狂わせてしまう。
また、出っ歯や口呼吸など見た目や健康上で不利な要素となる。

実は舌や指をかむことによる作用は極めて大きい。
例えば、舌で前歯の裏側を押すクセがあると、歯列は前方に移動する。
人間の歯は、瞬間的な強い力に対しては強いが、弱い持続的な力に対しては弱く、歯体移動する。
この原理を利用し、コントロールしながら歯を動かしていくのが歯科矯正。
悪習癖は意図しない歯体移動をおこしてしまうだけの力が十分にある。
他に口腔内に悪影響を及ぼす習癖としては、唇をかむ、爪を噛む、唇を吸い込むなど。

乳児期の指しゃぶりは授乳などの本能的な要素からきているので、やめさせるのは難しい。
3歳以降の幼児期くらいから、積極的にやめさせるのが良いだろう。
また、この年齢でおしゃぶりを使用しているようなら、やめさせた方が良い。
要は、口腔内への執着を取り除いてあげること。

どうしても癖が取れない、というお子様は、医療用として、タングガードなどという口腔内に装着するおどろおどろしいものもある。
しかし、そのような大げさなものを利用しなくとも、市販品で簡素にして十分なものがある。
指しゃぶり防止手袋も多数あるが、より効果的なのは味覚を利用するもの。
要は、指しゃぶりをすると苦い思いをすればよい。

当院でお試しとして用意してあるのはこちら。
MAVALA STOP
爪に塗るマニキュアタイプのもので、非常に苦い。
大人の爪噛みにも効果大。

指咬み防止

この手のものはアマゾンや楽天などでも2000円以下で手に入るのでおすすめである。

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悪習癖は放置すると、見た目や咬合に悪影響を及ぼすため、気づいたら早めの対応が望ましい。
歯医者に行くまでもなく、クセを取り除けるものもあるので、ぜひ試してほしい。

指しゃぶりと不正咬合 完