体調は気候とリンクする
ついに梅雨が明けました。
すさまじい豪雨で、平成最大の水害が、あろうことか平成最後の夏におこり西日本は大変なことになっている模様。
出入りの歯科用品業者によると、岡山では完全に3件の歯医者が水没したそう。
一世一代の開業がこんな形になれば、気の毒としか言いようがない。
梅雨が明けたかと思えば、間髪入れずにこの猛暑。
北海道生活の長かった私には、魔の季節の到来。
さて今回は、気候が人間の体調にいかに影響を及ぼしているかの話。
気温と体調
気候が人間に及ぼす影響、特別何かの疾患がなくても頻繁に起こっている。
気圧がさがると古傷が、などというあいまいなものではなく、である。
慢性疾患の急性化
人間の体は、体力があることで免疫を維持し、健康を保っている。
そして、体力が低下すると抵抗力が落ち、様々な感染性疾患が急性化し発症する。
体力の低下する原因は病気などもだが、思いのほか気温が大きい。
これは、歯医者になるまで気づかなかったこと。
急に暑くなったり寒くなったりすると、だいたい1週間ほどで、歯ぐきや親知らずを腫らして来院する患者が激増する。
来院頻度こそ高くはないが、ヘルペス性の口唇炎も。
普段であれば週2~3人しか来ないのが、10倍近い来院がある。
腫れるのは、歯周病・根尖性歯周炎・智歯周囲炎など、日頃はさしたる症状もなく慢性的に経過している感染性疾患。
慢性というのは、特に症状がないというのと同義である。
これは、人間の体が免疫力でもって抑え込んでいるだけに過ぎず、決して細菌を駆逐しているわけではない。
それが、気温の変化という日常にありふれた事項で簡単に崩れてしまう。
だからこそ、体調管理は重要。
抵抗力の弱い高齢者であれば、なおさらである。
11月に頻発する疾患
暑くなる時には発生せず、寒くなるときにだけ発症する疾患がある。
それは、顎関節症。
耳の前が痛くなったり、顎が開け辛くなったりする。
かくいう私も顎関節症持ち。
顎関節症患者は、11月に年間の全体の7割程度が来院する。
原因は、急に寒くなったことで、お休みの時に食いしばるため。
一枚余分に着重ねることで、ほとんど症状は出ない。
もし症状が出てしまったら
早めの受診が肝心。
急性化初期では、周辺組織の破壊等がまだ亢進されていない。
その段階で、投薬等で抑え込めれば、病状の悪化は最低限ですむ。
これからの季節、無理せずクーラー等で、上手に体調を管理していただきたい。
特に今年は暑いとのことなので、注意が必要だ。
気候と体調 完