紹介サイトの実態

送られてきたFAX

昼休み、当院に全く覚えのないところから、FAXが送られてきた。

スタッフに破棄を指示したが、はたと思い、保存するよう言ったが、すでに切断されており後の祭り。
仕方ないので、破棄した用紙を張り合わせたのが、こちら。

汚くて申し訳ない。
一部送信元は隠してある。

送られてきたFAX・一部モザイク処理済み
紹介サイトからのFAX

これはいったいどういうことか

タイトルは、患者紹介状となっているが、年齢や歯列などのデータは一切ない。
これでは、いかに矯正のドクターでも、治療可能かわからない。

よくみると、「お客様の個人情報は、業務提携後に行います。」という一文が入っている。
つまり、患者を集めて、下請けの歯医者に丸投げし、マージンを抜く業者なのである。

私はこの業者は知らないし、何かに登録した覚えはない。
ということは、この業者は、どこからか当院のFAX番号を入手し(FAX番号は公開していない)、送りつけてきたということ。
矯正のうまいドクターと提携し、というのではなく、とにかく下請けに回ってくれる歯医者を探しているわけである。
そもそも私は矯正治療はしていないので、腕の良しあしもあったものではない。

この業者を検索すると、矯正治療の適正価格チェックのサイトに行き当たった。
患者としては、安く矯正をしてくれるところを探したつもりでも、結局は業者が出した価格で、どこの馬の骨ともわからないドクターが治療にあたるわけである。
日本矯正歯科学会の認定医などには、まちがってもあたらない。
矯正は一応誰がやっても罰せられることはないので、食い詰めた素人同然のドクターにあたることになる。

下請け歯医者の実態

歯医者はコンビニより多いと言われて久しい。
患者の取り合いがすさまじく、当然あぶれるものもいる。
そういった歯医者に目を付けたのが、紹介業者。
紹介だけして、マージンを抜く。
何かあっても、自分たちは関係ない、よく考えたものである。

まともな歯医者はいないのか

この手の業者は、マージンで成り立っている。
そのため、マージンは高額。
まともな歯医者であれば、取り合わない
ところが、それでも食いつなぐ必要のある歯医者は、すがるしかない。
そのような歯医者の腕がどうなのかは、推して知るべしだろう。

他にもある紹介業者

今回のような事例は、この業者だけではない。
当院にも色々なところから、話が舞い込む。

テレビCMのある矯正歯科やインプラントの業者は、もれなくこの類
「あ〇しんインプラント」のCMをみたことのある人は多いだろう。
こちらも提携歯科医院を募集している。
他にもホワイトニングや、セラミックのかぶせものなど。

紹介本やおすすめサイト

ご近所ドクターの冊子や、ドクター紹介本もこの類だ。
ご近所本は、掲載一ページあたり、50万もする。
それをホームページで、掲載されました、などとやっている歯科医院も実に多い。

某医療機関紹介フリーペーパー・1ページ50万円でいいように特集できる
ドクター紹介本

他にも、口コミサイト。
これもお金を払うと、口コミが掲載され、おすすめになる。
払わなければ、住所しかのせない。

逆にこのようなものに特集されている医院は、お金を払ってでも患者を集めなくてはならない、と判断できる。

集客サイト・おすすめサイトを信じるな

腕の良いドクターを紹介するなら、世のため人のため。
しかし利益のために、正当な評価を曲げていい加減な医療をほう助するのはいかがなものか。
このような怪しい業者に頼っている医院にあたらぬことを、祈るばかりである。