ゴールデンウィークまっただ中。
小難しい話ばかりなので、せめてお休みの日には医療以外のお話を。
私の出身大学である北海道大学の話をしよう。

北海道大学は、いわゆる旧帝大と呼ばれる最高学府のひとつ。
その中でも歯学部があるのは、北大・東北大・阪大・九大の4校のみ。

歴史は古く、明治5年に札幌農学校として開基、140年以上の歴史を誇る。
「少年よ、大志を抱け」というフレーズで有名なクラーク先生は、創成期の農学校時代の教官。
新選組の永倉新八は、幕末を生き延び、北大の剣道部に稽古をつけていた。
北大の校門前に、新選組の旗のレリーフが埋め込まれている。
前の5000円札の人物、新渡戸稲造も北大出身。
最近では、ノーベル化学賞受賞の鈴木章先生が記憶に新しい。
北大初のノーベル賞受賞ということで大いにわいたものだ。

さて北大はその広さと場所がとんでもない。
場所はというと、北海道最大のターミナル・札幌駅から歩いてわずか5分ほど。
大阪なら、梅田の駅の裏に学校があるようなもの。
おまけに歓楽街・すすきのからもほど近く、学業に専念という点では多少の疑問がある。
ともかく、郊外移転で不便な大学生活を強いられる今日において、私たちは都会と北海道の大自然という両方を満喫できたのだ。

北大は広い、日本一。
広大なキャンパスは、札幌キャンパス単体でも、大阪城公園の約1.7倍ある。
学校に並走して地下鉄が走っているが、南端の札幌駅から、北12条駅、北18条駅、北端の北24駅まで4駅にも達する。
学校一周走ろうとすると、1時間は帰ってこれない。
教養の授業で、下手に選択講義をとると、移動が休憩時間で間に合わない。
特に冬場は、自転車が使えないので致命的。
そもそもキャンパス内に循環バスがあるのがおかしい。

教養に隣接する北部食堂は日本で一番大きい学生食堂、なんと1000席以上。
私が学生の頃は800席ほどで、それでもとんでもなく大きく感じたものだ。
メニューは牛トロ丼やいくら丼などのご当地メニューもあり、安くておいしい。
サラダバーや、時にはすし職人がやってきて限定メニューを提供したりする。
しかも食堂はここ一つだけではない、広大なキャンバスのあちこちに散在している。
医学部食堂もあるが、上の先生方がいると何となく先生方より安いものをチョイスしたりしていた。

広大なのは札幌キャンパスだけでない、水産学部のある函館キャンパスや、その他演習林など含めると、なんと東京23区より広い。
大阪なら、大阪市・堺市・東大阪市が束になっても勝てない。
なんと日本の国土の570分の1は北大。
ぶっちぎりで広い大学なのだが、広くて良いと思うのは最初の3日だけ。
特に冬場、吹雪の中での移動は、身の危険すら感じるほどだ。
何より困ったのは、PHSが出た当初、敷地内にアンテナが立てられなかったため、校内で電波が受信できなかった。
現在PHSが残っているのが大学病院内での医療用の物ぐらいであるから、皮肉なものだ。

続きます