日本人は顎が小さ目。
それゆえ、大人の歯が収まりきれずに、歯並びが狂う人が多い。
そこでお子様のために歯列矯正を検討する親御さんからの相談が非常に多い。
現在、当院では歯列矯正をおこなってはいない。
いずれ、信頼できる矯正認定医を招へいできたらはじめようとは考えている。
歯科矯正は保険外治療である。
顎骨切断を組み合わせるような骨格性不正咬合の一部は保険が効く、という例外もあるが。
そのため、一般に治療費は高額。
ものによっては100万以上の治療費が発生する。
いまや歯科はもうかる時代ではなくなってきた、そこで矯正治療に手を出す歯科医師が増えてきた。
実は、矯正は歯科医師免許さえあれば誰でも「矯正歯科」を標榜し、おこなってよいのだ。
大学の歯学部では、一応さわりだけ矯正学を学ぶ。
あくまで、さわりだけ。
専門的に矯正を学ぶためには、卒業後、大学の矯正科に所属し、指導医のもとで最短で計５年の修業が必要。
きちんとした矯正科医になるには、非常に高いハードルがある。
矯正は普通の歯科と違い、非常に専門性が高いので特殊な知識と習練が必須だからだ。
矯正のドクターは、とても一朝一夕にできるような代物ではない。
医科の心臓外科医などが、習練を要するのと同じようなものと考えてよい。
日本矯正歯科学会という組織がある。
ここは、日本で唯一のまともな矯正に関する学術団体。
ここの認定医になるためには、それはそれは大変な条件をクリアする必要がある。
具体的には、
①５年以上日本矯正歯科学会に所属していること
②学会指定研修機関において5年以上矯正歯科研修を修了したもの（大学の矯正科などがこれにあたる）
③学会の認めた刊行誌（学会誌など）にオリジナルの論文を発表すること
④学会の検定試験に合格すること
矯正にかかわる人間であれば、日本矯正歯科学会の認定医をとって初めて一人前とみなされる。
その数、全国でわずか3,000人ほど。
歯科医師のうちのわずか３％ほどに過ぎない。
ところが、矯正治療を謳う歯科医院は2万件ほどに上る。
いったいこれはどういうことか。
実は歯科医療の世界では、歯科器材メーカーや、いかがわしい学会・団体が独自に認定医を乱発しているのだ。
中には、金さえ払えばわずか数日で認定医を貰えるところもある。
そのため、認定医だけど矯正のど素人というヤカラが巷にうようよしているのだ。
これは、心臓外科医だけど、心臓の手術はしたことがない、というようなとんでもないこと。
そのようなのに限って、紛らわしい名称の団体を、こっちも権威ある団体なんですよーと詐称するのでタチが悪い。
実際、当院の周りにも何軒かなりすまし認定医が活動中。
矯正を検討するのであれば、絶対に日本矯正歯科学会の認める認定医のもとでおこなってほしい。
私が歯科医になってから、素人の矯正で顎関節症が発症したりと、トラブルを山のようにみてきた。
日本矯正歯科学会の認定医・専門医のリストが公表されているので、リンクを貼っておく。
大阪では認定医はわずか２２０人。
大東市・四条畷市に限って言うと、認定医は
園田真規 先生 大東市浜町 園田矯正歯科
西田貴彦 先生 四條畷市楠公 西田歯科
吉田千秋 先生 大東市氷野 ちあき矯正歯科
のたったお三方だけですね。
私は、矯正の先生どこにすれば良いの？と聞かれたら、日本矯正歯科学会の認定医の先輩か、日本矯正歯科学会の認定医のリストを見て紹介している。
くれぐれも怪しい矯正医に引っかからぬようご注意を
矯正医の選び方 完
