アレルギーとは

アレルギーは、本来生体にとって有益なはずの免疫による防御反応が、過剰に反応し生体に有害に働くことである。
我々体にはウイルスや細菌、有害物質や寄生虫など様々なものが侵入、害を及ぼそうとする。
それを複合的に排除するシステムが免疫。
この免疫システムが必要以上に反応してしまうと、生体そのものを傷つけたり、障害をおこしてしまう。
なぜ免疫系が暴走するのか、原因は不明である。

アレルギーのタイプ

免疫機構そのものが複合的・多段的であるために、アレルギーも複数のタイプに分類される。
これは、症状による分類ではなく、かかわる細胞や抗体による分類となるため、症状によっては複数のタイプにまたがるものもある。

Ⅰ型アレルギー

即時型・アナフィラキシー型ともいう。
かかわる抗体はIgE。
抗原が侵入することでできたIgE抗体、一部は肥満細胞とくっついてしまう。
新たにマスト細胞が、抗原にであうと、肥満細胞+抗体+抗原の状態になる。
この状態になったとき、肥満細胞からヒスタミンやロイトコリエンなどのケミカルメディエーターが放出される。
これらのケミカルメディエーターは各組織において、血管透過性亢進・腺分泌亢進・平滑筋収縮などを誘発し、アレルギー反応をおこす。

花粉症の薬は、このケミカルメディエーターに先回りして、組織の受容体を占拠してしまうもの。

代表的なケミカルメディエーター阻害薬・アレジオン
抗ヒスタミン剤

抗原の侵入からの反応ははやく、皮膚反応では10分ほどでおこり、15分から30分ほどでピークに達する。
代表的な疾患としては、じんましん、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息。
食物アレルギーもこれに属する。
世間でいうところの、アレルギーとは一般的にⅠ型のアレルギーを指す。(アトピー性皮膚炎はⅣ型もからむ)

そして恐ろしいのが、アナフィラキシー。
反応が激しく、全身に症状が及ぶものをいい、時として生命にかかわる。
蜂に刺されて死ぬことがあるのは、重篤型のアナフィラキシーショック。
これについては後日詳しく解説する。

即時型のⅠ型アレルギーなのに、なぜ花粉症を含むアレルギー性鼻炎が長期間継続するのか。
常に花粉などの抗原と、抗体をつけた肥満細胞が触れているため、ケミカルメディエーターが放出され続けているためである。

続きます