虫歯(う蝕)を治したはずが、また再発したということはないだろうか。
詰め物の下で虫歯が進行し、神経に達しているのはよくあること。
この原因は、前回治療した歯医者に責任がある場合が多い。

要は、虫歯を取り切れていなかったのだ。
歯医者が何をもってう蝕の領域とするかは、各ドクターの見解がわかれるところ。
正しくは、硬度で規定される。
黒く着色していれば、誰でもそれがう蝕であるとわかる。
しかし、黒くなくてもう蝕である場合は多々ある。

う蝕は細菌感染疾患であり、細菌感染をおこしている部分と、細菌が産生した酸によって変性した部分に分けられる。
さらに、う蝕は6つのステージに分けられる。
先駆菌層・寡菌層・多菌層は感染部位で、再石灰化は不可能で除去を要する。
生活反応層・透明層・混濁層は変性部位ではあるが、感染はなく再石灰化が可能。
つまり感染部位だけ取り除くのが理想。

それを可能にするのがう蝕検知液。
う蝕が疑わしい部位に塗布し、一定時間おくと感染部位は染色される。
染色されなくなるまで取り除けば、う蝕はないと判断できる。

う蝕検知液

う蝕検知液

私がう蝕検知液にこだわるのは、師匠の影響。
私の一番の師匠は、北海道大学第一保存科・佐野英彦教授。
う蝕検知液の権威。
歯科界の東大と呼ばれる東京医科歯科大を卒業し、37歳で教授、42歳で北大歯学部病院院長になった超やり手。
大学時代はボートでインカレ出場経験まである鉄人でもある。
歯学部1年のころからずいぶん可愛がっていただいた。
数えきれないほど飲みに連れまわしていただき、学生の頃から院生向けの講座なども推薦して受けれるようにしてもらったりした。
公私ともに受けた影響ははかりしれない。
今でも北海道に帰るときには必ず顔を出す。

う蝕検知液を使用して、どの程度の取り残しがあったかを調べた統計がある。
大学病院の経験年数15年のベテランドクターでさえ、15%近い取り残しがあった。
つまり、7本治療して1本は治せていないことになる。
ましてや、町医者に検知液なしでう蝕を取りきることが可能だろうか。
スチールバーなど適切な硬度を持つインスツルメントを用いても、検知液を使わなければ取り残してしまう。
絶対に不可能だと断定してよい。
それどころか、何年か後に再治療になるよう意図的に取り残したようなものまである。

私は全ての症例にう蝕検知液を使用する。
保険の低廉な治療であったとしても。
非常に手間と時間がかかる。
適当にとればあっという間に終わるし、上手いドクターと評判になるのはわかっている。
しかしながら、そこは私の矜持。

 

一見小さな虫歯

小さく見える虫歯

 

内部は大きい

内部の拡大した虫歯

 

一見、う蝕は取れたかに見えるが、この程度でつめてしっまている歯科医は非常に多い

一見とれたようにみえる

 

検知液を使用する

検知液を使用

 

相当量のう蝕が確認できる

かなりのう蝕

 

再度う蝕を除去

再度除去

 

それでも検知液使用で残存が確認された

う蝕が残っている

 

完全除去。検知液でも反応しない。

完全に除去された

 

歯医者を選ぶ際は、う蝕検知液を使用する医院を選ぶこと。
また、使ってないようであれば、使用を要請する。
検知液がないようであれば、転院するのが賢明。
不完全な治療から自己防衛できる、そしてそれは自らの未来につながるのだから。

う蝕検知液の必要性 完