間接部分修復 その1
インレーとは
インレーとは、虫歯になった範囲が小さい場合に用いる、はめ込み式の詰め物。
主に臼歯部で使用される。
一般的には、型取りをおこない、口腔外で間接的に作成される。
臼歯には、山と谷がある。
山には尾根があり、その中でも最も高い山頂部分は、咬頭頂という。
谷は裂溝という。
大臼歯
力のかかる咬頭頂を被覆しない詰め物をインレー。
咬頭頂を被覆するものをアンレーという。
インレーの咬合面観
アンレーの咬合面観
インレーの適用
生活歯であること
インレーの適用は原則神経の生きている生活歯である。
神経を除去して根管充填をおこなった歯は、代謝がおこなわれないためもろくなる。
インレーをいれると、咬頭頂に力がかかり歯牙が破折することがある。
根管方向に力がかかるため、歯は縦に割れ、一発で抜歯対象歯になることが多い。
そのため、失活歯にインレー修復は禁忌。
にもかかわらず、当院周辺の歯科医院では少なくない数の歯牙がインレー修復されている。
恐らく、保存修復の勉強不足と、金属量をケチることが原因と思われる。
保険治療では、金属の使用量にかかわらず支払われる金額は同一。
そのような状況なので、不適切なインレー修復のため、歯牙破折で抜歯にいたるケースが結構ある。
コンタクトの回復
歯と歯の接点をコンタクトという。
歯と歯の間は適切なきつさで接していることで、物が詰まりにくくなっている。
インレー修復の最大の目的は、コンタクトの回復。
レジンなどの即時修復では、コンタクト部分に隙間ができてしまう。
適切なきつさを得るため、歯間分離をおこなってから、即時充填をおこなう手法もあるにはある。
ただし、手間と時間がかかり、保険では見合わないためおこなわない。
インレーは作成時に技工作業で、コンタクト部分を一層厚みをもたせる。
それを、口腔内にセットするときに、歯科医師が適切なきつさに調整するわけである。
続きます