外来性色素の除去
歯科医院以外でホワイトニングとうたっているのは、実は歯自体の色をかえているわけではない。
色素の除去は広義でのホワイトニング。
単に汚れを浮かすか、最大でも表面性状をかえてすりガラスのように白っぽく見えるようにしているだけ。
もとの歯の色をこえて真っ白になる、なんてことはおこりえない。
エステでも、サロンでも、歯磨き剤でも、通販の物品でも。
本当に白くなる可能性があるのは、個人輸入で手に入れる海外のホワイトニング剤だけ。
ただし、使用は自己責任。
私でも怖くて、手を出したくはないが。
中国の通販サイトAliExpressでもそれらしきのがある。
単なる外来性色素(ステイン)の除去でも、着色の原因がステインならば、効果は高い。
これにはいくつかの選択肢がある。
ステインの除去の方法
歯医者でのクリーニング
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)といって、歯科衛生士が専用の道具とペーストを使用し、物理的にステインの除去をおこなう。
歯石なども、ほとんどの場合はそれに先駆けて除去。
保険診療の範囲としてやってくれる歯医者も多い。
ステインの除去としては、これに勝る方法はない。
歯磨き剤
薬局やネット上では、歯磨きだけでホワイトニングができた、などとうたわれている。
これは、単に汚れを浮かしてとっているだけ。
歯自体に作用のあるものは、絶対に売ってません。
なぜなら、法律で厳しく規制があるから。
成分をみても、重曹やら、当たり障りのない物質やら、よくわからないエキスなど。
トレーやらジェルやら照射器やらでいろいろ効きそうに見せているが、成分から見ると普通の歯磨き粉と大差はない。
確かに歯磨きで汚れを落とすことには大いに意味はあるが、歯の色が変わるということはあり得ません。
しかも歯磨き粉にあるまじき値段がついていたりする。
我々にはみているだけで楽しい(うさんくさいもの見たさで)。
歯医者に来た方がよっぽどてっとり早く、確実。
当院でも用意している歯磨剤
エステなど
エステや、歯医者のかかわっていないホワイトニングサロン。
最近ではよく見かけるようになってきた。
セルフホワイトニング形式をとっている。
実は、歯を触ってよいのは、歯医者や歯科衛生士などの国家資格保持者のみ。
それ以外の人が触ると、違法。
それゆえ、客が自分で、用意してもらった薬剤を使う形式。
しかし、これも、歯の色自体をかえれるわけではない。
使用薬剤は、ポリリン酸系や、重曹、メタリン酸など、歯磨き粉にも入っているもの。
漂白作用のあるものなどは、法律で縛られているため、絶対に使えない。
要はこれも表面のステインを除去しているにすぎない。
しかし、歯科医院で使うトレーや照射器のようなものを使っていることで、なんとなくホワイトニング気分は味わえる。
薬剤には光触媒は入っていないため、照射器の効果は多少温度を上げるくらい。
いわば、なんちゃってホワイトニング。
使用器具は似てはいるが、医療機器ではない全くの別物。
医療器具クラスのものは、医療機関でなければ使用できない。
歯の表面性状のすりガラス化とステイン再着防止で、色調は1トーンくらいは白くなった感じはするが、それ以上はない。
ステイン除去によるホワイトニングはアリか
私は大いにアリだと思う。
ステインの除去でも、それで清潔感がでれば、十分に意味があると思う。
何より、口腔内に意識が向くことで、歯の清掃などへの関心が高まることは歓迎すべきだと思う。
続きます