歯の色の由来

歯に色が付く原因は大きく二つに分けられる。

内因性の着色

歯の色が、歯そのものに由来するもの。

歯本来の色

もともと歯は真っ白い色をしているわけではない。
永久歯は黄色っぽく、乳歯は青白い。
特に犬歯(前から3番目)が特に色が濃く、そこから離れるに従って色は薄くなる。

また、後天的な着色もある。

薬剤性の着色

テトラサイクリン歯は、歯の形成期である幼児期に、抗生物質の一種であるテトラサイクリン系の薬剤を服用した場合におこる。
左右対称におこり、縞状の暗褐色を呈する。
昔はよく耳鼻科で処方されていたため、特に40代以上の患者にときおりみられる。

神経の失活

歯の神経が死ぬことでも変色する。
根幹治療などをしない場合、死んだ歯髄組織などが、歯質に浸透し、暗褐色を呈する。
また、薄いピンク色を呈する場合は、打撲などで歯の内部に異常吸収がおきている場合がある。
中身が外殻一枚を残して空洞になってしまうため、早期発見できなければ、抜歯対象となる。

外因性の着色

歯そのものの色でなく、外部要因によるもの

虫歯

虫歯で黒くなるのは、言わずもがな。
エナメル質の初期虫歯では、白く脱灰する、これをホワイトスポットという。

ステイン

いわゆる外来性色素。
歯の表層に固着するだけで、内部歯質が変色するわけではない。

ステインを多く含み、歯に着色しやすいものは以下の通り
コーヒー・タバコ・茶類・コーラ・カレー(ターメリック)・チョコレート・トマト系・ワイン・キムチ・ベリー系果実・ソースなど
ステインの付着は、特にタバコや紅茶などで顕著におこる。

特に紅茶はステインがつきやすい
ステインの多い紅茶

歯科充填物

歯の治療で用いた歯科材料も、変色をおこす。

金属・特にアマルガム(水銀合金)は歯質自体に銀イオンを放出し、周辺歯質を黒変させる。
変色しても、特に虫歯ではないが、退色しない。
アマルガムタトゥーといい、1990年以降は、国内で販売されておらず、40代以上にしか見られない。

前歯部の軽度の虫歯治療に用いるレジンは、樹脂を用いているため、変色する。
経年劣化により、黄色に変色してくる。
また、レジンと歯質の境界に入りこんだステインは、歯科治療器具で研磨しないと取れないことが多い。

どの着色かで、方法は変わる

どの種類の着色を白くしたいか、それによりホワイトニングの方法はかわる。
歯自体が変色しているのであれば、いくらステインを除去しても白くはならないから。

続きます