歯周治療のあるべき基本概念

歯周病は口腔内の常在菌による感染疾患。

歯と歯茎の溝の深いものを歯周ポケットという。
歯周ポケットの上部にある歯垢(プラーク)を、歯肉縁上プラーク。
ポケット内部の歯垢を、歯肉縁下プラークという。

歯肉縁上プラークは、酸素分圧の比較的高い位置にあるため、好気性の細菌が多くを占める。
逆に歯肉縁下プラークは、酸素分圧の低い歯周ポケット内部に多いため、嫌気性細菌が多い。
基本的に縁上縁下の細菌叢は、構成する細菌が異なる。

歯肉縁上プラークによって引き起こされるのが、歯肉炎。
そして縁下プラークによって引き起こされるのが歯周炎である。
継続する炎症の結果、炎症部位から大切な骨組織を防衛するために、骨吸収がおきて骨レベルが低下したのが歯周病。

歯周病治療に共通するのは、縁下プラークを形成する細菌を除去すること。

歯周病治療の基本的な流れ(日本歯周病学会準処)

日本歯周病学会においては、その一連の治療の流れを、エビデンス(根拠)に基づいた治療指針として、ガイドラインにあげている。
(詳しくはこちら
機械的な汚染源の除去が主柱になっている。
縁上縁下の歯石やプラークは、体内と異なり、直接アプローチできるためである。

その一連の流れは、

歯周組織検査

歯周基本治療

歯周外科治療   ----実際外科治療に至る患者は、少数に過ぎないーーーー

口腔機能回復治療

治癒

メンテナンス

となっている。

歯周基本治療とは

歯周基本治療は次の4柱による

①プラーク(歯垢)コントロール
歯磨きを基本とする歯垢の除去

②スケーリング
歯の表面の汚れや歯石の、超音波スケーラーなどによる除去

③ルートプレーニング
歯石などがついていた歯の表層の、毒素に汚染されている部分の除去と、滑沢化。

④かみ合わせや動揺歯の固定

これら一連の流れは、歯周病の程度によらず、必ずおこなうもの。
特に、スケーリングとルートプレーニングは、非常に効果が大きい治療手段。
歯石などの汚染源は抗生剤などでは除去は不可能である。
必ず、残った歯石などをベースに、再発性歯周炎がおこる。

歯周外科治療

歯周基本治療で、歯周病が寛解に達してしまう場合がほとんど。
それでもとりきれない歯石があったり、深くなりすぎた歯周ポケットに対する処置として、歯周外科治療がある。

麻酔科で患部の歯ぐきを切開し、ダイレクトに汚染源の除去をおこなう。
徹底した汚染源の除去と、深い歯周ポケットを浅くするのが目的。

それ以外の治療

それでも寛解が得られない難治性の歯周炎に対しては、ようやく投薬が検討される。
また、歯周組織再生療法なども治療法としておこなわれることもある。

歯周組織再生用材料・エムドゲイン(保険外)
歯周組織再生用タンパク質

歯周病治療の原則

歯周病の治療は、歯肉縁上縁下の歯垢や歯石の徹底した除去。
それに加えて、歯面の滑沢化などにより毒素の除去を行うことにある。
機械的な汚染源の除去こそが、効果のもっとも得られる治療法なのである。