非糖質系代替甘味料

人工甘味料

食物中には存在しない、化学合成により作られる甘味料。
低カロリー甘味料として使用される。
添加物有害論者がこぞってたたくジャンクサイエンス(偽科学)のたまり場になっている。
戦後開発された人工甘味料のいくつかが、毒性をもっていたため禁止になった経緯からと思われる(ズルチンなど)
現在使用が許可されている人工甘味料に関しては、十分な安全へのエビデンスが確立されているので問題はない。

アスパルテーム

アスパルテームは、アミノ酸であるアスパラギン酸とフェニルアラニンがペプチド結合したジペプチドである。
熱やPHにおいてやや不安定で、水に溶けにくい。
長期安定性も他の甘味料に比べ、水溶状態ではやや劣る。

甘さは砂糖の200倍で、砂糖に似たまろやかな甘さを持つ。
カロリーは砂糖と同等であるが、使用量が少なくて済むため結果的に低カロリーとなる。
また、経口摂取されたアスパルテームは体内でほとんど代謝を受けずに排出される。

他の甘味料と相性が良く、同時に利用されることが多い。
中でも、アセスルファムKとの1:1の混合物は甘みを増強し、砂糖に近い味わいになるため多用される。

アミノ酸由来であるため、酸や不溶性グルカンの原料にならないので、う蝕誘発性はない。
血糖値に影響を与えず、インシュリン刺激性もない。

ただし、先天的な代謝異常であるフェニルケトン尿症には禁忌とされる。
アスパルテームを構成するアミノ酸であるフェニルアラニンの代謝不全のため、体内に蓄積する恐れがあるため。
ただし、先に述べたようにアスパルテームは体内でほとんど代謝を受けずに排出されるため、一応禁止になっているに過ぎない。

用途は広い。
現代人でアスパルテームを一日のうちに摂取しない人はいないのではなかろうか。
スーパーでも味の素からパルスウィートとして発売されているのを見ることができる。

パルスウィート・アミノ酸から生まれたの文字がある
パルスウィート写真

パルスウィートの成分表示・合成甘味料の種類に注目
パルスウィート・成分表示

アセスルファムK(アセスルファムカリウム)

酢酸由来のジケテンとスルファミン酸、三酸化硫黄を反応させたアセスルファム環を中和して合成される。
構造的にはサッカリンに類似する。
水を含む多くの溶媒に溶けやすく、熱や酸、酵素などにも安定で、長期保存に耐えられる。
日本で添加物として認められたのは2000年で、比較的新しい。

甘さは砂糖の200倍で、甘みを感じる早さが早く後味の切れが良い。
ただし、特有の苦みがある。
体内では代謝されないため、ノンカロリーである。
他の甘味料との併用では、アセスルファムKの濃度が低いほど甘く感じるという不思議な特徴を持つ。
アスパルテームとの1:1の混合物は甘みを増強し、砂糖に近い味わいになる。

酸や不溶性グルカンの原料にならないので、う蝕誘発性はない。
体内で代謝されないため血糖値に影響を与えず、インシュリン刺激性もない。

他の糖との併用で特性を発揮するため、単体での使用は少ない。
特にノンカロリー系の飲料やガム、飴などには欠かせない存在になっている。

スクラロース

砂糖の水酸基のうち3つを選択的に塩素に置き換えたもの。
熱や酸に対して安定しており、水やエタノールにもよく溶けるため、飲料の長期保存にも耐えられる。
日本では1999年に指定添加物として認可された。

甘さは砂糖の600倍で、砂糖に似たまろやかな甘みを持つ。
苦み等の雑味がないのが特徴である。
他の甘味料と相性が良く、甘さを増強する働きを持つ。

体内で消化・代謝されず排出されるため、カロリーはゼロ。
酸や不溶性グルカンの原料にならないので、う蝕誘発性はない。
体内で代謝されないため血糖値に影響を与えず、インシュリン刺激性もない。

酸や熱に強く、雑味も少ないことから、飲料のみならずパンなどの加熱製品にも相性が良い。
人工甘味料におけるオールラウンダーとして用途が拡大しつつある。

アクエリアスゼロの成分表示

スクラロース・アクエリアスゼロ

キシリッシュの成分表示・甘味料のそろい踏み
スクラロース・キシリッシュの成分表示

まとめ

体に悪そうという先入観と、巷に氾濫するジャンクサイエンスなどのエビデンスの無い情報に左右されがちであるが、上手に使えば健康にとって非常に有用な物質が、甘味料。
虫歯や糖尿で失われる健康損失を考えると、積極的に利用していく方が得である。
このシリーズで紹介した知識で十分、スポーツ飲料などを選ぶ手助けにはなるはずだ。
いま一度、食品の成分表示をチェックして自分にあった製品を選んでみてはいかがだろうか。

カロリーオフとは 完