非糖質系代替甘味料

今までは材料に糖を使用してきた甘味料をみてきた。
今回は、材料が糖でない、非糖質系甘味料をみていく。
材料が糖でないので、カロリーが非常に少なく、甘みが強いものが多い。

非糖質系甘味料は、大きく天然甘味料と人工甘味料に分類される。

ただし、糖質系甘味料や砂糖の持つメリットは甘みだけではない。
和菓子などに入れるとその濃度ゆえに、日持ちが良くなるという性質があった。
非糖質系甘味料は甘みが強いために、製品中の濃度が少なく、痛みやすいというデメリットも。

天然甘味料

ステビア

ステビアは、南米原産のキク科の植物であるステビアの葉に含まれる成分からつくられる。
酸やアルカリ、熱に対して安定で、化学変化をおこしにくく変色しにくい。
商品化から50年近く、甘味料の老舗的存在だが、他の人工甘味料に座を明け渡しつつある。

甘さは砂糖の10~300倍と高く、清涼感を持つが、苦みと渋みもある。
甘み成分は単一ではなく、グレードによって甘みの性質や成分が異なる。
主な甘み成分は、ステビオサイドとレバウディオサイドA。
・ステビオサイドが主成分のものは安い。
・レバウディオサイドA含有量を高くしたものは味が良好。
・そしてステビオサイド主成分のものにブドウ糖を結合させたものは味が良く高級品となっている。

カロリーは砂糖と同等であるものの、使用量が少なくて済むため、結果的に低カロリーとなる。
酸や不溶性グルカンの原料にならないので、う蝕誘発性はない。

かつてポカリスウェットステビアなるスポーツ飲料があり、ステビアを甘味料としていた。
個人的に好きな味であったのだが、いつの間にか姿を消した。
その後同じライトブルーのパッケージでイオンウォーターが発売され、ステビアが甘味料の一部として入っている。
ただし、イオンウォーターには砂糖が入っており、う蝕誘発性があるので注意されたい。

ポカリスエットとイオンウォーター・天然甘味成分のタグが付いている
ポカリスエットとイオンウォーターのボトル

ポカリスエットの成分表示・砂糖が入っている
ポカリスエットの成分表示

イオンウォーターの成分表示 ステビアだけでなく砂糖の表記がある
イオンウォーターの成分表示

カンゾウ

漢方でいうところの甘草である。
マメ科の植物の根を乾燥させたもので、甘味料のほか漢方薬としても長きにわたって使用されてきた。
甘味料、漢方薬の有効成分として、グリチルリチン酸。
人工甘味料のアステルパームと違い、熱に対して安定。

甘さは砂糖の約30~50倍。
砂糖の甘さと異なり、後から来て後に引く。
砂糖の代用としてではなく、その特性を生かした甘みとして用いられる。

カロリーは砂糖と同等だが、使用量が少なくて済むため、結果的に低カロリーとなる。
酸や不溶性グルカンの原料にならないので、う蝕誘発性はない。

漢方薬の世界において、約7割の漢方に配合されている生薬でもある。
去痰薬や炎症を抑える働きがあるとされ、かのエスタックイブにも配合されている。

食品への利用は意外と多い。
甘さが遅れてやってくるため、同様に遅れてやってくる塩味のカドをとるのに用いられる。
代表的なのは、九州の醤油。
九州地方では、醤油は甘いものが主流で、はじめて使用される人は驚くほど。
その甘味づけに、用いられるのがカンゾウ。
醤油っ辛さをマイルドにするのに、特性を生かした利用法といえよう。

人工甘味料に続きます