広大なキャンパス、その敷地内には様々な施設がある。

まずは北大病院。
北海道の医療の最大拠点。
1,500人以上の職員に加え、いろんな関係者がかかわる病院はもはや一つの町といってよい。
病院内には、コンビニ、床屋、各種キャッシュコーナー、レストラン、グランドピアノのあるホール、挙句の果てにはスターバックスまである。
24時間動き続ける不夜城、長い手術になると30時間を超えるためその明かりが絶えることはない。

地下深くにはなんと電子を加速するサイクトロン施設がある。
重粒子線治療をおこなえるこの核施設は、放射線科の技師が、核攻撃にも耐えれると豪語する。
屋上にはドクターヘリの着陸できるヘリポートがあるが、冬場は風の影響を受けにくい、歯学部の小児科横に着陸していた。
我々はその横を通って昼飯を食べに行くのだが、着陸時の轟音はすごいものであった。
よくよく考えると、コードブルーの世界がすぐそばにあったわけだ。

人口150万の都会のど真ん中の北大の敷地には、だだっ広い農場、原生林、牧場、川まである。
山といえるようなものはないが、敷地のはずれに恵迪山と呼ばれる数メートルの微高地がある。
登るよりもたどり着くほうが大変な山であった。
広大な北大敷地内で有名なのは、ポプラ並木だろう。
樹齢150年のポプラは、その直径が小さな家ほどになる。
残念ながら2004年の台風で半数ほどが倒れた。
ポプラ並木に向かう途中にある、そこそこ立派なポプラをみて勘違いして納得して帰ってしまう観光客が多く、我々はニセポプラ並木と呼んでいた。

雪が解け、気候が良くなると校内のいたるところで見られるのがジンギスカン。
北海道では、大阪でのタコ焼き機並みに七輪が普及しており、屋外に持ち出してジンギスカンをする。
北海道は羊の消費量が半端なく、スーパーでは牛・豚・鳥と並んで同規模の羊肉のコーナーがある。
屋外で七輪と真ん中が盛り上がった妙な形の鍋に、羊肉と野菜を焼いて、各々好みのお酒をあおる。
花見だ新歓だ観楓だと、ことあるごとに理由をつけておこなわれる。
学生だったり、白衣の院生だったり、教官だったりとやってる人も様々。
校内で禁止されていないどころか、校内の生協で肉を買うと七輪を貸し出してくれる。
借りなくても、だいたい学生ロッカーや研究室、医局には七輪は転がっているもの。
しかし、歯科放射線科のように転がっているのがカレー鍋という変わり種もある。
学部の真ん前などでジンギスカンをやってると、見知った顔が通りがかりに参加するのもよくある風景だ。

続きます