新入生の生活 後編

入学式

入学式には、約2000人ほどが参加する。
さすがに2000人を収容するだけの施設は、北大にはない。
学外のホールを借りておこなわれる。

参加できるのは、新入生のみ。
家族は入れてもらえない、いや、一部の新入生も。
毎年、学生寮の新入生の一部は、先輩の悪乗りで仮装させられる。
すると、式場入り口のチェックで不適切と判断され入れてもらえないのだ。

この日のために両親が揃えてくれたスーツは、日の目を見ることなく、ここに弩級の親不孝が完成する。
まあ、本人には忘れられない入学式にはなるが。

履修選択

入学式が終わると、すぐに授業が開始される。
この時にすでに部活などに入っていると、先輩から楽な授業を教えてもらったり、教科書をもらうことができ、圧倒的に有利になる。

必修授業

必修の授業は、小さめのクラスで、他の学部と混成。
ところが、歯学部は獣医学部などと混成だった。

当時、大人気マンガだった「動物のお医者さん」は、北大獣医学部が舞台。
そして、獣医の定員はわずか35人ほど。
マンガに感化された学生が北大を目指し、私が入学したころは東大理Ⅲ(医学部)をこえる日本で一番偏差値の高い学部だった。
そのような連中と一緒にされてはたまらない。
東大理Ⅲを軽々通る連中が平均点を上げてしまうため、たいそう苦労したのであった。

体育

何と大学に入ってまで体育があった。
とはいえ、遊びみたいなもの。
私たちの体育の授業は朝早いのが難点で、それを何とかする方が大変であった。(体育の授業の出欠は最初に採る)

選択授業

選択授業は、コミュニケーション能力がものをいう。
勉強漬けで大学にやっとたどり着いた人間は、ここで苦労する。

まず、とるべき授業の情報が先輩から回ってくる。
成績評価に響きにくい楽な選択をとることはとても重要。

さらに、北大には出席票なる色のついた紙があった。
毎回の授業ごとに、何十色からなる出席票は、どれが配られるかわからない。
私はその何十色の出席票のストックの束を、先輩からもらって、同じ部活の同期と有効利用していた。
新たに配られるごとに、さらにストックを増やして、後輩たちに引き継いだ。
レポートも、先輩から優秀なものがまわされてくる。

北大のイチョウ並木 今頃が見ごろ
北大イチョウ並木

第二外国語

第二外国語の選択は、何と願書の段階で選択が求められた。
合格するかもわからない状況での選択は、理性を狂わす。
単位取得の難しさは、フランス語 > ドイツ語 >ロシア語 > 中国語 の順。
変に意識高い選択をすると、後々地獄を味わうことになる。
ドイツ語を選択してしまった私は、激鬼の教官にあたってしまい、ひどい目にあってしまった。

また休みの日にでも続きます